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zoom RSS 日本のスマホがiPhoneの足元にも及ばないわけ

<<   作成日時 : 2018/02/18 21:49   >>

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僕も、よく言われる訳だよね。「大平さんは、もうエンジニアなんかじゃなくて、アーティストと呼べるよ」って。褒め言葉のつもりなんだけど、言われるたび、エンジニアって低く見られてるなって思うわけ。
大平貴之‏(@ohiratec_mega)  8:44 - 2018年1月11日

このツイートを読んで、「そうだ、そうなんだ」と、一人で手を叩いて喜んでしまった。
ちなみに僕の職業はエンジニアだ。つまり、低く見られている人種なのである。


ツイート主の大平貴之さんという人は、この世界では有名人だ。
彼は子供の頃から、星に魅せられていた。大学卒業後、ソニーに入社したが、プラネタリウムへの夢をあきらめきれず、独自に自宅の7畳間でプラネタリウム「メガスター」を開発。その後、ソニー内で商品化を画策するが、うまくいかずに独立した、という経緯を持つ。

そんな彼は、もはや「エンジニアなんか」じゃなくて、「アーティスト」であるということだ。このエンジニアとアーティストの違いは、そのまま日本のスマホがiPhoneの足元にも及ばないわけを表している。
そうだ。日本のスマホはエンジニアの製品、それに対しiPhoneはアーティストの作品なのだ。

では、エンジニアの製品とアーティストの作品は何が違うのか?
実は、モノ自体の違いはない。

これを語る良い例がある。
20世紀を代表するアーティストの一人であるマルセル・デュシャンという人の「泉」という作品をご存知だろうか?
これは何かというと、一言でいうと「便器(男性用)」だ。
しかも、その便器はデュシャンが作ったものではない。レディメイドである。つまり、市販品を買ってきて、サインをしただけである。

つまり、職人(エンジニア)が作った製品に、アーティストがサインをすると、それが
アーティストの作品となったわけだ。つまり、モノ自体の違いはない。

しかし、その2つの価値は全く異なる。製品はその機能以上の価値を持ち得ないのに対し、作品は機能の百倍、千倍、それ以上の価値がつくこともある。
それでは、デュシャンがこの便器に与えたものは何だったのだろうか。

それこそが、コンテクストである。コンテクストという言葉は少し難しいので、ここでは「物語」と呼ぶことにしよう。デュシャンは市販の便器にサインをすることにより、彼の物語を作っていたのだ。そして、彼の物語が世の中に認められることで、この便器に機能以上の価値が生まれたのだ。


美術品とまではいかなくても、同じような価値を売っている製品はたくさんある。
グッチとかエルメスなど、服やかばんのブランド品。フェラーリやベンツなどの高級車。あとはスイスの高級時計などもこれに類するだろう。
これらは、明らかにその物体そのもの以上の価値を持っているのだ。

話をiPhoneと日本のスマホに戻そう。
アップル製品を買ったことのある人ならわかると思うが、アップル製品はずいぶん豪華な箱に入っている。これは箱から製品を取り出す時に、ユーザーにワクワク感を感じてもらいたいと、作り手が設計したものであるという。これが「物語」という価値である。

結果の箱は、ただの物体だから、マネすることは簡単である。実際にこれをマネしたと思われる製品もある。しかし、「アップルの箱のマネをしました」といって、ユーザーがそれに感動するだろうか? ここに絶対に超えられない壁ができてしまう。これが日本のスマホがiPhoneの足元にも及ばない、決定的な理由である。

箱はただの一例で、iPhone、他のアップル製品にもこんな物語がたくさん詰まっている。もしかしたらジョブズの物語とも言えるかもしれない。

ゼロックスのパロアルト研究所(PARC)の技術に着想を受けて開発した画期的なコンピュータ、マッキントッシュ。
アップル社の拡大にともない、ジョブズが「このまま、一生砂糖水を売り続けたいのか、それとも私と一緒に世界を変えたいのか」と口説いて経営者に迎えたジョン・スカリー。
そして、そのジョン・スカリーによって、ジョブズがアップルを追い出される話。
その後、経営難に直面したアップルに舞い戻ったジョブズ。
そして、iMac、iPad、iPhone、iPadを世に出し、アップルを時価総額世界一の企業にする。
最後に、ジョブズの早すぎる死。

このそれぞれが、全てのアップル製品に宿っていると言えるだろう。もはや、同じものを作るだけではその価値には到底及ばないのである。


最初に書いたように僕はエンジニアである。つまり、製品は作ることができるが、物語を作ることのできない、アーティストに見下されるエンジニアである。

でも、僕にはただのエンジニア以外の肩書がある。それはエンジニアライターというものだ。エンジニア+ライター、これは製品を作る人、物語を作る人を合わせた造語である。

物語を作ることにより、製品の価値を高める。これが僕のミッションだ。大平さんのツイートを見て、この思いを新たにした、というわけだったのである。

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