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zoom RSS 尼崎列車事故に思う、鉄道の安全性

<<   作成日時 : 2005/05/09 02:32   >>

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尼崎で起きた痛ましい列車事故では、100人を超える方の尊い人命が失われました。
被害者の方々のご冥福をお祈り致します。

さて、今回の事故において安全性や信頼性において、色々考える部分がありました。
以下に、それを述べたいと思います。

なお、最初に断っておきますが、私の仕事は半導体製造関係であり、JRはもちろん公共交通には一切関係はありません。これから述べるのは、中立な一人の理系人としての意見です。



まず、このような事故が起きると、「鉄道って、危険なのかな?」という意識が湧いてきます。
私の周りでも、前の方の車両に乗るのは恐いな、といった声が聞こえてきました。

危険性を検証するために、鉄道の一時間当たりの死亡率をみてみます。

すると、ここ10年間では、日本での鉄道の死亡率は2.9×10-8とのことでした。
ちなみに、世界での鉄道の死亡率は2×10-7程度です。
つまり、日本の鉄道事故による死亡率は世界平均の10分の1程度です。

比較のために、日本国内での自動車の死亡率は1.2×10-7ですから、鉄道は自動車と比較して、はるかに(5倍程度)安全な乗り物といえます。

さらに、この日本での鉄道の死亡率は、鉄道事故で最も多い、「プラットホームから落ちて電車に轢かれた」というようなケースを含んでいます。
これを除いて、純粋な乗車中の死亡率はなんと6×10-10となります、これは自動車の死亡率と比較すると、ほとんど無視できる数です。
(ただし、これは今回の事故は含まない数字です。今回の事故により数字自体は悪化するものと思われますが、他の数字との相対的な関係はかわりません)

さらに、新幹線などは開業から40年近くになりますが、列車にのっている乗客が死亡した事故はありません。

さんざんJRが叩かれていますが、彼らの安全管理技術は世界一の水準であることは、疑いありません。



ただ、実際に事故に遭われた方やその御遺族にしてみれば、いくら鉄道の事故率が低いと数字を示しても、そんなものは意味がありません。どんな低い確率でも、起こってしまえば100%です。

安全管理、信頼性は理系的な概念です。
これらは数字がメインで、人の心が反映されていません。そこに矛盾が生じます。

今回の事故にしても、オーバランの遅れを取り戻そうとしたスピードの出しすぎが原因の一つであることはほぼ間違いがないようですし、ボウリング大会等のJR側の意識が問題となっています。

結局、改善すべきことは数字そのものでなく、そこに魂を込めることができなかったことなのだと思います。

今回の事故を通し、「理系的な部分に、数字だけでなく如何に人の心を取り入れるか」ということは、あきらめずに追求し続けてなくてはいけない課題だと、考え直しました。

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鉄道は自動車より何倍安全か計算してみた
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2005/05/17 13:55
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「尼崎列車事故に思う、鉄道の安全性」について 何だか一生懸命計算している方がいるようですが、 私には鉄道のシステムが持つ安全性の高さと、 そのシステムに寄りかかっていた人間の姿勢と 数値では表現できない被害者の痛みについて 触れているように読めます。 ...続きを見る
何でもin!@WebryBlog
2005/05/30 01:03

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