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zoom RSS 現場力が強いことの功罪

<<   作成日時 : 2012/10/12 02:44   >>

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京大の山中教授がノーベル賞を受賞されました。

まあ、成果の大きさを考えると
受賞は確実で時間だけの問題と思っていましたが
実際に吉報を聞くと、世の中が騒ぎ出しますね。


受賞を受けて、マスコミで先生の生い立ちなども
語られるようになったわけですが、
今に至る道のりは決して平らではなかったようです。

医学部を出て、臨床医を目指すが脱落。
その後、研究医に転向し、米国留学。

そこで高い成果をだすものの、
帰国後、日本の劣悪な研究環境に
一時はうつ病になりかけたそうです。

そんな中、卓越した成果を出された先生には
本当に驚かされます。


さて、今日のお話ですが、
注目するのは山中先生が帰国後
困難にあわれたという部分です。

これは結局、日本の研究医が
(臨床医と比べて)あまりにも地位が低いことによる
カルチャーショックという一面があったようです。

これだから日本はダメなんだ。
そういう論調になってしまいそうなのですが、
話はそう単純でもありません。

研究医の地位が臨床医より低いということは、
裏をかえせば、臨床医の地位が
相対的に高いということです。

そしてこれは、実験室での研究よりも
実際に患者さんと向き合う臨床医が
重視されている、ということになります。

あれっ、最初はこれだから日本はダメなんだ、
という話になりかけたところが、
日本の文化もなかなか良いじゃないか
と思い直しませんか?


日本の文化というものは
現場に重きを置くということにつながります。

ものづくりの現場などでも、
若手設計者の書いた図面を
熟練作業者がボロクソにけなす、
ということが良くあります。

他の国では、作業者は作る人、設計者は設計する人
という区分けがもっとはっきりしていて、
作業者が設計まで口を挟むということは
あまりないようです。

これは、現場からの改善活動が進むなど
良いこともあるのですが、弊害もあります。

デザイナーがデザインをしても、
日本の会社では生産現場の力が強く、
どんどん生産の視点で変更を加えるため
とがった製品が生まれにくい、
ということが指摘されています。

最近の電機業界の製品力の低下なども
こんな風土が影響しているのかもしれません。

現場が強すぎることも良し悪しなのですね。


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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
僕は、現場力が強いのが問題と言うよりも、”現場”と走で無いところのコミュニケーション不足(相互にまたがる問題の解決が出来ないこと)が問題なのだと思います。

医療の研究も、僕は”(研究)現場"と認識していました(臨床では無いけれど)。僕は”現場”に対する場所(?)は、組織として上の立場であったり、予算案を立てて執行したり、環境全体を整える事務方のようにとらえています。”現場”の定義の話に関わるかとも思います。

いずれにしても、現場で起きた問題と、上の立場で解決すべき問題をお互いに共有し、全体としての問題解決が出来るのが一番健全な状態だと思います。上下関係(力関係)などがあるためにコミュニケーションがうまくとれず、全体としての機能不全を起こしているのが一番大きな問題だと感じています。
にしき
2012/10/12 06:44
現場という言葉の定義ががはっきりしていませんでしたが、ここでは比較的狭い意味で、研究開発に対する言葉として実際にモノを作っているところなど実世界に成果を生かす場のことを「現場」としています。
こんな意味で「現場」というところは、どうしても保守的になってしまいます。ただ、画期的なイノベーションなど言うは簡単ですが、実際はリスクも大きく問題も多く起こしています。世の中には成功例しか出ないので、イノベーションが重要のように言われますが、実際の業務では保守的な判断が正しいことが多いのです。
ただし、そうはいっても新しいことに挑戦しないとジリ貧になってしまいます。
残念ながら、研究開発とそれに対する「現場」というものは、上司と部下のように、対立関係になりやすい存在なのです。
enginner writer
2012/10/16 01:06
「現場」が保守的になりがちというのは同感です。僕の業界(?)でも、今まで通りのやり方以外を認めようとしたがらない方が圧倒的に多いですかね。ダメ元でも、大きな問題を解決しようと新しいことに挑戦しようとするのはごくわずかです。
にしき
2012/10/16 04:21

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